
【保存版】賃貸不動産の集客戦略10選|賃貸仲介で反響を倍増させるWeb×リアル手法
この記事の監修者

リードクリエーション株式会社
代表取締役社長 兼 Webコンサルタント
新宮 秀也
バリューコマース国内報酬月間ランキングで1位を獲得した実績を背景に、専門的なSEO会社を設立。
理論だけでなく、実践を基にした効果的なSEO戦略を提供するのが強みです。
主力としては、地域をターゲットとした店舗向けの検索順位向上や、洗練されたWEBメディアの構築を得意としています。

「ポータルサイトの掲載枠を増やしても、反響が思うように伸びない…」
「広告費ばかりが高騰し、1件あたりの獲得コスト(CPA)が合わなくなってきた」
「開業したばかりで知名度がなく、大手仲介会社に勝てるイメージが湧かない」
賃貸仲介の経営者様や店長様から、このような切実なご相談を毎日のようにいただきます。
かつては「駅前の好立地」に店舗を構え、「ポータルサイトに大量掲載」すればお客様は来店してくれました。しかし、スマートフォンの普及とユーザー行動の変化により、その勝利の方程式は崩れ去りました。
結論から申し上げます。
今の賃貸不動産市場で勝つために必要なのは、Web(MEO・SNS・SEO)とリアル(紹介・法人営業)を組み合わせた「ハイブリッド集客」です。
本記事では、机上の空論ではなく、今日から現場で実践できる賃貸仲介の集客アイデアと具体的なノウハウを、Web戦略から泥臭いアナログ営業まで網羅して解説します。
この記事を読み終える頃には、あなたの店舗が明日から取り組むべき「勝ち筋」が明確に見えているはずです。
1. そもそもなぜ、今の賃貸仲介で「集客」が難しいのか?
具体的な手法に入る前に、まずは私たちが戦っている市場の現状(ファクト)を正しく理解する必要があります。敵を知らなければ、戦には勝てません。
衝撃のデータ:ユーザーが訪問する不動産会社は「平均1.6社」
ある調査によると、部屋探しをするユーザーが実際に足を運ぶ不動産会社は、平均して1.6社しかありません。
さらに衝撃的なのは、「1社しか訪問せずに契約するユーザー」が全体の約半数を占めているという事実です。
これは何を意味するのでしょうか?
それは、「来店してから営業トークで口説こう」という考えはすでに手遅れだということです。
お客様が店舗のドアを開けた時点で、勝負の9割は決まっています。来店前の段階で「この店に行こう」と選ばれていなければ、土俵に上がることさえできないのです。
大手と戦わずに勝つための「ポジショニング」
資金力のある大手が「物件数(網羅性)」と「マス広告」で攻めてくるなら、中小規模の仲介会社が戦うべきフィールドは「情報の質(地域への専門性)」と「人(信頼)」です。
「この街のことなら、あの不動産屋が一番詳しい」
「あそこのスタッフさんは、無理な営業をしてこない」
これから紹介する戦略は、この「来店前の勝負」に勝ち、地域で独自のポジションを築くための具体的なロードマップです。
2. 【Web集客編】エリアNo.1を目指すデジタル戦略
今の時代、お客様は「物件」ではなく「失敗しない不動産屋」を探しています。Web上でいかにその信頼を勝ち取るかが鍵です。
① MEO対策(Googleビジネスプロフィール)の徹底活用
今、ポータルサイトよりも重要度が増しているのが、Googleマップでの検索順位です。
「〇〇駅 賃貸」「〇〇市 不動産屋」と検索した際、地図と共に上位表示される3枠(ローカルパック)に入ることが、最強の集客になります。
- 情報の鮮度を保つ: 社名と住所の登録だけでは不十分です。「最新情報」機能を使い、新着物件や街のイベント情報を週1回は投稿しましょう。Googleは「動いているアカウント」を評価します。
- 口コミという資産: 既存のお客様に依頼し、Googleの口コミを集めてください。「親切だった」「詳しく教えてくれた」という第三者のリアルな言葉は、何百万円の広告費にも勝る信頼の証です。
- 写真を充実させる: 店舗の内観、スタッフの笑顔、相談スペースの様子。お客様は「どんな人が対応してくれるか」を不安に思っています。その不安を写真で払拭しましょう。
② ポジショニングメディア(自社サイト)によるブランディング
自社ホームページを、単なる「SUUMOの劣化版(物件検索サイト)」にしていませんか?
大手ポータルと同じ土俵で戦っても、物件数と機能で負けてしまいます。自社サイトは「地域の情報誌」を目指すべきです。
- これから住みたい層へのSEO: 物件名だけでなく、「〇〇駅 住みやすさ」「〇〇市 子育て 治安」「〇〇大学 一人暮らし」といった、物件探しの一歩手前の悩みに対する記事を作成しましょう。
- ターゲットを絞る: 「ペット可物件専門店」「単身女性専門店」「法人契約専門」など、あえてターゲットを絞る(ポジショニング)ことで、刺さる層には強烈に刺さる店舗になります。
③ 動画・SNS集客(Instagram / TikTok / YouTube)
若年層(Z世代・ミレニアル世代)にとって、検索の入り口はGoogleではなくSNSです。
- ルームツアー動画: 30秒〜1分の縦型ショート動画で、物件の魅力をテンポよく紹介します。広角レンズを使い、臨場感を伝えましょう。
- スタッフの顔出し: 「この人に相談したい」と思わせることがゴールです。不動産のプロとしてのアドバイスや、時にはランチ情報など、親近感のある発信が有効です。
3. 【ポータルサイト編】媒体効果を最大化する反響獲得術
SUUMO、LIFULL HOME’S、アットホームなどのポータルサイトは、依然として強力な集客チャネルです。しかし、ただ掲載するだけでは埋もれてしまいます。ここでは「掲載順位」ではなく「クリック率・反響率」を上げる工夫を紹介します。
④ 写真と情報の「質」で差別化する
同じ物件でも、掲載の仕方ひとつで反響数は5倍変わります。
- 写真枚数は限界まで: 掲載可能枚数の限界まで登録するのはマナーです。
- VR・パノラマ画像の活用: 内見に行かなくても部屋の様子がわかるVR画像は、忙しい現代人の心を掴みます。滞在時間も伸び、SEO的にもプラスです。
- キャッチコピーの工夫: 「日当たり良好」ではなく、「朝日が気持ちよく、休日の朝食が楽しみになるリビング」のように、ベネフィット(お客様が得られる未来)を伝えましょう。
⑤ 周辺環境情報の充実
スペック以上に重要なのが「周辺環境」です。
「コンビニまで徒歩5分」だけでなく、「24時間営業のスーパー『〇〇』があり、帰宅が遅い日も安心です」など、生活シーンが具体的にイメージできるコメントを追記してください。
「この不動産屋は、街のことをよく知っている」という信頼に繋がります。
4. 【リアル集客編】予算ゼロ・開業直後でも勝てるアナログ戦略
Web集客は効果が出るまで時間がかかります。即効性があるのは、実はアナログな手法です。特に開業直後や、広告費を削りたい時期にこそ、原点回帰が必要です。
⑥ 「知人の紹介」は最強のマーケティング
恥ずかしがらずに、友人、知人、過去の同僚、すべての人に「不動産屋を始めた」「部屋探しなら任せてほしい」と伝えましょう。
紹介を生むコツ: 単に「誰か紹介して」と言うのではなく、「あなたの周りで、近々転勤する人や、結婚を考えている人はいませんか?」と具体的に聞くことで、相手も顔を思い浮かべやすくなります。 1人の友人を全力で満足させれば、その友人がまた別の人を連れてきます。これが最も成約率が高く、コストのかからない集客です。
⑦ 法人開拓・社宅代行
地元の企業や、転勤者の多い病院、大学などに営業をかけましょう。
- 社宅代行・提携: 企業の総務担当者と繋がり、新入社員や転勤者の部屋探しを一手に引き受けることができれば、広告費ゼロで毎月一定の顧客が見込めます。
- メリットの提示: 「御社の社員様なら仲介手数料を割引します」「優先して物件を紹介します」といった特典を用意し、提携のメリットを提示しましょう。
5. 【成約率向上編】集めた反響を逃さない追客システム
集客はゴールではありません。反響を来店に、来店を成約に繋げて初めて売上になります。最後に、穴の空いたバケツを塞ぐための「追客・営業戦略」をお伝えします。
⑧ レスポンスの速さが命(1時間以内ルール)
ネット反響において、「1時間以内の返信」と「翌日の返信」では、連絡が取れる確率が劇的に変わります。
お客様は同時に数社へ問い合わせをしています。一番最初に連絡をくれた会社と話を進めるのは心理的な必然です。
システムによる自動返信はもちろん、反響があった瞬間に架電する体制を整えましょう。
⑨ 追客システム(MA・CRM)の導入
一度連絡が途絶えたお客様も、まだ部屋探しを続けている可能性があります。
メールは見られなくなっていますが、LINEなら到達率は圧倒的です。
「ノマドクラウド」などのシステムを活用し、条件に合った新着物件をLINEで自動配信し続けることで、お客様が動くタイミング(再検討の瞬間)を逃しません。
⑩ 「分かりやすい」提案資料で感動させる
マイソク(図面)をただ送るだけでは不親切です。
Googleマップで周辺施設をプロットした地図を送る、初期費用の概算を先出しする、類似物件の比較表を付けるなど、「この担当者は気が利く」「ここまでやってくれるのか」と思わせる一手間が、他社との差別化になります。
まとめ:賃貸仲介の集客は「点」ではなく「線」で考える
賃貸不動産の集客において、魔法のような裏技はありません。
- 認知(Web・リアル): MEO・SNS・紹介で「地域に詳しい不動産屋」として知ってもらう。
- 比較(ポータル・HP): 質の高い情報発信で「選ばれる1社」になる。
- 決定(追客・接客): スピード対応と親身な提案で、信頼を勝ち取る。
この一連の流れを「線」で設計し、一つひとつ丁寧に積み上げていくことが、集客成功の唯一の道です。
お客様は、単に部屋の鍵を渡してくれる人を探しているわけではありません。
新しい生活への不安を取り除き、背中を押してくれるパートナーを探しています。
「あなたにお願いしてよかった」
そう言われる数を増やすことこそが、どんなSEO対策よりも、どんな高額な広告よりも、強力で永続的な集客戦略となるのです。
さあ、まずは今日できることから始めましょう。
Googleビジネスプロフィールの写真を1枚更新することから、あなたの店舗の革命は始まります。

